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更新日付:2020年2月4日 / ページ番号:C069665

市長の部屋 さいたま市長 清水 勇人 絆をつなぐ

令和2年度施政方針

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令和2年2月4日開会の令和2年さいたま市議会2月定例会において、清水勇人市長が施政方針演説を行い、令和2年度の市政運営の基本的な考え方や主要な施策などについての説明を行いました。
その全文(議場に配付した内容)は、以下のとおりです。

※ 議場に配付した冊子のPDF版は、最下段のダウンロードファイルをご覧ください。

令和2年度施政方針

議員各位には、平素から市政運営に御支援をいただき、心から感謝を申し上げます。
本日ここに、新年度に臨む私の所信及び市政の基本方針を申し上げ、議員各位及び市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

1 はじめに

(さいたま市誕生20周年に向けて)
2021年、本市は誕生20周年を迎えます。本年は、記念すべき20周年を目前に控えた年であるとともに、その先の「新たなさいたま市の創造」に向けた、これまでの市政の集大成、そして更なる成長・発展に向けて、歩みを進める年であります。
私は、市民の皆様に与えて頂いた、4年間という任期の総仕上げを行うとともに、「新たなさいたま市の創造」という次のステージへと飛躍するべく、より一層の決意と情熱をもって市政を前に進めてまいります。

(振り返り:計画推進の着実な成果
私は、これまで「総合振興計画後期実施計画」を始めとする、主要な計画を着実に推進してまいりました。
主な成果を申し上げます。

環境等の分野では、「環境未来都市」実現に向けた「スマートシティ」への取組を推進しました。昨年5月には、本市の美園地区及び大宮駅周辺地区における「スマートシティ」の取組が、国の「重点事業化促進プロジェクト」として選定されました。7月には、「持続可能な開発目標(SDGs)」の理念に沿った取組を推進する先進都市として、本市が「SDGs未来都市」に選定されております。

健康・福祉・子育ての分野では、長寿応援のまちづくりを推進するため、昨年9月に、定年退職された方や、子育てが一段落した方に向けて、ボランティア、就労、生涯学習等に関する相談・情報提供を行う「セカンドライフ支援センター」を開設しました。また、昨年3月の「さいたま北部医療センター」新病院の開院に続き、12月には「地域完結型医療の要」となる「さいたま市立病院」の新病院を開院し、救急医療の体制づくりを推進しました。また、「子育て楽しいさいたま市」を実現するため、多様な保育の受け皿の確保や幼児教育・保育の無償化への対応など、乳幼児期から青少年期に至るまで、切れ目のない支援のより一層の充実を図りました。

教育の分野では、グローバル人材を育成するため、昨年4月に、県内初の中等教育学校である「大宮国際中等教育学校」を開校しました。「全国学力・学習状況調査」では、小・中学校ともに、調査開始以来、常に全ての実施教科で全国の平均正答率を上回るとともに、本年度は小学校2科目合計、中学校3科目合計のいずれの結果においても、全国20の政令指定都市で第1位となっております。また、小学校1年生から中学校3年生まで一貫した独自の英語教育「グローバル・スタディ」の実践により、中学校英語の結果が全国で第1位となっております。さらに、「自分には、よいところがあると思う」、「学校に行くのは楽しいと思う」などの項目につきましても、政令指定都市で第1位となるなど、本市の教育が子どもたちの健やかな成長に確実に結びついていると考えております。

文化・スポーツの分野では、昨年8月に、アメリカ・ワシントンD.C.の「国立盆栽・盆景園」と「大宮盆栽美術館」との間で姉妹館の提携が実現し、盆栽文化の国際化を進めました。そして、日本初の公立の人形専門博物館である「岩槻人形博物館」が今月22日に遂に開館します。

都市基盤・交通の分野では、東日本の対流拠点にふさわしい都市機能の充実・強化に取り組みました。大宮駅周辺では、昨年5月に、新たな「大宮区役所・大宮図書館」をPFI方式により開設しました。また、大宮駅周辺のまちづくりをより具体化し、実現可能なものにしていくための「(仮称)GCSプラン」の骨子案を公表することができました。浦和駅周辺では、「市民会館うらわ」の機能移転を決定するなど、浦和駅西口南高砂地区の再開発事業を引き続き推進しました。与野本町駅周辺では、「与野本町小学校」と「子育て支援センターよの」、「与野本町放課後児童クラブ」、「与野郷土資料館」を複合化した施設、愛称「いーよの」を本年4月に開設します。

産業・経済の分野では、昨年3月に開設した「まるまるひがしにほん」の来場者が60万人を突破し、各都市の魅力的なプロモーションが大変好評を得ております。また、11月には本市の産業の更なる国際競争力向上のため、ドイツ・ニュルンベルク市と経済連携のための覚書を締結しました。

安全・生活基盤の分野では、令和元年台風第19号による本市誕生以来の大きな被害に対して、被災された方々への支援を行うとともに、被災施設の復旧を鋭意進めております。昨年11月には、WHO(世界保健機関)が推奨する、事故や怪我を予防するための取組である「セーフコミュニティ」につきまして、政令指定都市では初となる、市全域での国際認証を取得することができました。

交流・コミュニティの分野では、地域コミュニティの中核を担う自治会への支援を行うとともに、市民の皆様との協働に取り組みました。

行財政改革の分野では、高品質経営市役所への転換に取り組みました。まず、「見える改革」としては、市民との協働、事業者・大学との連携を推進し、民間の人材、ノウハウ、資金等の積極的な活用を図りました。「生む改革」としては、事務事業の見直しによるコスト削減や積極的な自主財源の確保などに取り組み、昨年度は約40億円の財政的効果を生み出しました。さらに、昨年9月から、政令指定都市では初めて、庁舎敷地内にキッチンカーを設置し、公共空間を有効活用するとともに、貸付料による収入で財源の確保を図りました。「人の改革」としては、1万5千件を超える業務改善を実現するとともに、サテライトオフィスの開設、ICTを活用した会議録作成支援システムの導入やモバイルワークの試行導入、保育施設の入所選考業務や固定資産税の評価業務へのAI活用など、働き方改革に取り組みました。

成果に対する市内外からの評価
このような取組の結果、「さいたま市民意識調査」において、本市を「住みやすい」と感じている方は、調査を開始した平成19年度の74.0%から上昇基調が続いており、本年度は84.4%に達しました。また、「これからも住み続けたい」という定住の意向をお持ちの方も、86.2%にのぼり、ともに調査開始以来、最高の数字を記録しております。
日本総合研究所の「全47都道府県幸福度ランキング2018年版」では、政令指定都市で第2位の高い評価をいただいております。また、リクルート住まいカンパニーが発表した「SUUMO住みたい街ランキング2019関東版」では、「大宮」が第4位、「浦和」が第8位にランクアップし、市外からの注目度がさらに高まっております。
これらの評価は、本市誕生以来の先人はもとより、議員各位、市民、企業や大学等の皆様、そして職員が、それぞれの立場でともに地域の課題を考え、行動していただいた賜物であると、心から感謝申し上げます。

2 運命の10年 2021年の先の新たなステージへ

(今後の課題)
私は、本市の強みを生かし、「住みやすい」、「住み続けたい」と感じていただけるまちづくりを、市民、企業や大学等の皆様と手を携えながら、着実に進めてまいりました。
しかしながら、人口が増加する一方、本市の高齢化率は、毎年上昇し続けており、今後そのスピードは加速していきます。さらに、本市の総人口は、2030年にピークを迎え、それ以降は、減少局面を迎える見通しとなっており、生産年齢人口の減少による経済規模の縮小が危惧されます。
また、本市の公共施設の多くは、老朽化が進行しており、大規模改修や建替えが必要となる建物の大幅な増加が見込まれます。
そして、年々進行する高齢化等を要因とした、社会保障関連経費の増大や税収の伸び悩みなどにより、これからの財政運営は非常に厳しくなると言わざるを得ません。

(持続可能な成長・発展)
このような課題を克服し、本市が将来にわたって成長を続けていくためには、人口がピークを迎える2030年までの「運命の10年」が、本市の未来を決する大変重要な期間となります。この間に、人口減少や高齢化のペースを、できる限り緩やかなものとする取組はもとより、人口減少の局面でも成長を続けていくための基盤づくりを、危機感をもって進めていかなければなりません。そして、そのための未来につながる投資を着実に行い、本市の持続可能な成長・発展につながる仕組みを築かなければなりません。私は、その鍵となるのが「SDGs」と「スマートシティ」であると考えております。
なぜならば、2030年を期限とし、持続可能な成長・発展を目指す「SDGs」の取組は、本市が「運命の10年」になすべき取組と道のりを同じくするものであり、また「誰一人取り残さない」という理念は、本市が目指す「市民一人ひとりがしあわせを実感できる“絆”で結ばれたさいたま市」、「誰もが住んでいることを誇りに思えるさいたま市」と一致しているからであります。
さらに、本市の活力を維持・向上していくためには、「Society 5.0」への対応、すなわち、AIやIoTなど新技術を活用したイノベーションにより、社会課題を解決し、人と人とが絆でつながる「スマートシティ」を実現することが、極めて重要であると考えているからであります。

(真に災害に強いまちを目指す)
さらに、本市が持続可能な成長・発展を続けるためには、災害への備えを万全にしなければなりません。本市はこれまで、地理的な特性から、他の都市と比べて大きな災害が少ない中で、防災・減災対策に取り組んでまいりました。しかしながら、昨年の台風第19号は、過去最大級の台風として本市にも大きな被害をもたらしました。近年、気候変動により災害が激甚化するとともに、首都直下地震の切迫性が一層高まっております。大災害はいつでも、どこでも起こりうることを肝に銘じ、防災・減災対策を不断に見直していく必要があります。近年の実災害からの教訓に学びながら、風水害のみならず地震災害も念頭に置いたハード・ソフト一体の総合的な防災対策を講じていくとともに、市民の皆様と一丸となり、地域の防災力を一層高めていくことで、真に災害に強いまちを目指してまいります。

(上質な生活都市、東日本の中枢都市の実現)
私は、これまで本市が有する優位性と強みを最大限に生かした、「上質な生活都市」と「東日本の中枢都市」の実現に向け、決意と情熱をもって市政を前に進めてまいりました。引き続き市民、企業や大学等の皆様と手を携えながら、これらの都市づくりに邁進してまいります。そして、本市の新たなステージに向けた集大成とすべく、現行の「総合振興計画」を完遂するとともに、新たな市政運営の指針であります、次期の「総合振興計画」の策定に全力を尽くしてまいります。

3 令和2年度予算案の概要
-2021年の先の「新たなさいたま市の創造」に向けた更なる成長・発展予算-

令和2年度当初予算につきましては、ただ今申し上げた基本的な考えのもと、「総合振興計画後期実施計画」など主要な計画の総仕上げと、2021年の先の「新たなさいたま市の創造」に向けた更なる成長・発展予算として編成しました。
予算編成にあたりましては、特に、東京2020大会開催を好機と捉えて更なる成長を図ること、今般の災害を教訓とし、防災・減災対策を一層強化すること、「スマートシティ」の取組を加速化することを重視しました。また、国の総合経済対策等の動きにも連動しながら、令和元年度補正予算から令和2年度当初予算までを通じた、切れ目のない予算編成に取り組んだところであります。
その結果、一般会計予算総額は、対前年度比1.1%増で過去最高の5,627億円、特別会計予算総額は3,167億円、企業会計予算総額は1,264億円となり、全会計予算総額は1兆58億円となりました。

4 令和2年度の主な事業等

それでは、令和2年度の主な事業等を申し上げます。 

(東京2020大会の成功と開催を好機とした更なる成長)
まず、7月24日から始まる東京2020大会の開催に伴う事業であります。本市では、サッカーとバスケットボール競技が開催され、国内外から、およそ160万人の方々が来訪すると見込まれております。そのため、会場周辺や主要駅に大会公式のデザインや本市独自の装飾を施し、大会の祝祭感を演出するとともに、暑さ対策によるおもてなしで観戦客をお迎えします。同時に、ボランティアの皆様と心を一つにして、本大会の開催を支援してまいります。さらに、本大会を本市の取組や魅力を国内外に発信する絶好の機会と捉え、観戦客を対象としたプロモーションや様々なイベントを実施するとともに、回遊性を高めるバスも運行します。そして、ボランティア活動などを通じて高まる市民力や、競技開催都市として獲得するブランド力などの大会レガシーを、本市の更なる成長につなげてまいります。
具体的な事業として、サッカー競技の開催日に合わせた「大門上池調節池底面広場」を活用したイベントや、バスケットボール競技の開催中に、氷川参道周辺でイベント等を実施します。さらに、大会期間中に「大宮盆栽」の魅力を発信するイベントを開催します。また、東日本を連結する対流拠点としての役割を果たすため、大会期間中に東日本の各都市と連携した外国人向けの日本酒PRイベントや、本市を含む東日本の各都市への観光客を誘致する共同プロモーションを実施します。

(防災・減災対策の強化)
次に、防災・減災対策の強化を図る事業であります。昨年10月の台風第19号の襲来の際、本市でも、観測史上最大の大雨による、大規模な浸水被害が発生しました。荒川が氾濫危険水位を超えたため、初めて避難指示(緊急)を発令するなど、非常に緊迫した状況となりました。被害を受けた都市公園等の復旧事業につきましては、本年度の補正予算により対応するなど、現在も復旧に全力で取り組むと同時に、今回の当初予算では、台風第19号による災害につきまして、しっかりと検証した結果などをもとに、ハード・ソフト両面から、更なる防災・減災の取組を行い、将来への備えを強化してまいります。
具体的には、「油面川排水機場」の整備につきまして、当初の計画を前倒しして、早期の供用開始を目指してまいります。大規模な浸水被害のあった桜区新開地区周辺につきましては、台風第19号を再現したシミュレーションを行い、排水機場の整備効果や今後の対策につきましても検討を行ってまいります。準用河川の改修、雨水貯留施設や雨水管の整備など、中長期的に取り組むべき都市の強靭化につながる事業につきましても、引き続き着実に進めてまいります。
さらに、防災行政無線や市ホームページによる情報伝達が十分に機能しなかったという声を踏まえ、登録いただいた家庭に向けて、電話やFAXで情報を届ける「災害時防災情報電話サービス」を開始するとともに、市ホームページの安定的なアクセス環境を確保します。加えて、円滑な避難に必要な情報を掲載した「防災ガイドブック」を全戸に配布するとともに、県管理の河川における新たな浸水想定区域に基づく「洪水ハザードマップ」や、市全域を対象とした浸水シミュレーションに基づく「内水ハザードマップ」を、最大規模の浸水被害を想定して作成します。
また、大規模地震時における延焼や避難困難リスクの高い地区においては、住民主体の取組を支援するとともに、「道場三室線」や「国道122号蓮田岩槻バイパス」など復旧活動を支える4車線の幹線道路整備を進め、災害に強い道路ネットワークの構築を進めてまいります。通学路の危険なブロック塀などにつきましては、新たに調査を実施し、計画的に対策を行ってまいります。
昨年の台風の際も、市民の皆様の自助の取組はもとより、自主防災組織の活動や企業の御協力が、被害の低減に大きな力を発揮しました。風水害のみならず、首都直下地震なども見据えた災害への備えを強化するために、様々な事業者や団体との一層の連携を進めるとともに、近年の実災害を通じて得られた教訓を踏まえ、「地域防災計画」の改定を行ってまいります。

(「スマートシティ」の取組の加速化)
次に、「スマートシティ」の実現に向けた事業であります。まずは、これまで「E-KIZUNA Project」や「次世代自動車・スマートエネルギー特区」など、環境・エネルギー分野を中心に進めてきた取組を、引き続きしっかりと進めてまいります。
具体的には、美園小学校に「ハイパーエネルギーステーション」を整備するとともに、運輸部門における二酸化炭素の排出削減対策として、モビリティの脱炭素化を進めてまいります。美園地区に整備中の「スマートホーム・コミュニティ」においては、民間事業者が主体となり、電気自動車などを活用して、太陽光発電の余剰電力を域内で効率的に融通する設備の導入を図り、再生可能エネルギーが域内で循環する仕組みづくりを進めてまいります。
さらに、これから「Society 5.0」の時代に対応していくためには、あらゆるデータや、Ai、IoTなどの最新テクノロジーを活用して、食・住・医療・健康・交通・観光など、地域社会を構成する主要分野における様々な課題を解決していく「スマートシティ」の構築を、これまで以上に進めていかなければなりません。そのため、全市的な展開を見据えながら、「スマートシティさいたまモデル」の構築に向けた、実証事業などの取組を推進し、新たな生活支援サービスの社会実装を進めてまいります。
具体的には、ヘルスケアや購買履歴などのパーソナルデータを、「美園タウンマネジメント協会」が管理する情報共通基盤に集めて利活用し、市民一人ひとりに最適化した生活支援サービスの提供につなげてまいります。加えて、同協会による地域ポイント事業「たまぽんポイント」を、地域マネーとして普及させていくための検討を行うとともに、AIが最新の子育てイベント情報を自動配信するサービスにつきましては、他の事業者とも連携できるよう進めてまいります。また、交通手段の最適化を図る「MaaS」など、新たなモビリティサービスの導入に向けた検討も行ってまいります。
そして、本市の先導的な取組を国内外に発信すべく、2021年度に予定しております「(仮称)E-KIZUNAグローバルサミット」の開催に向けて、持続可能な都市・地域を目指す地方自治体による国際的組織「イクレイ」や、国の関係府省とも連携しながら、準備を進めてまいります。

1 環境・アメニティ
続きまして、「環境・アメニティ」に関する施策であります。

(循環型社会の構築、豊かな自然環境の活用)
ただ今申し上げた「スマートシティ」の実現に向けた事業のほか、将来にわたり安定的に一般廃棄物を処理していくために、「サーマルエネルギーセンター」の整備を進めてまいります。また、見沼田圃の保全・活用・創造を図るため、見沼散策の拠点となる「(仮称)三崎広場」や、見沼田圃の自然・歴史・文化を次世代に引き継ぐ「(仮称)セントラルパーク」、「農業交流施設」の整備など、「見沼田圃基本計画アクションプラン」を着実に進めてまいります。

2 健康・福祉

次に、「健康・福祉」に関する施策であります。

(自分らしい暮らしの実現)
超高齢社会を迎えた本市においては、介護予防を推進することで、健康寿命の延伸を図り、介護状態の重度化を抑制するとともに、たとえ要介護状態になったとしても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、医療・介護・予防・生活支援・住まいが一体的に提供できる「地域包括ケアシステム」の深化・推進に向けた取組を進めていく必要があります。
そこで、高齢者を対象とした介護予防教室の開催や、介護予防ボランティアの育成に取り組むとともに、官民連携したデータに基づく介護予防を進めるため、「日本老年学的評価研究」、いわゆる「JAGES(ジェイジス)プロジェクト」の調査結果を活用し、本市の特性に応じた介護予防事業を進めてまいります。さらに、高齢者の生活支援や生きがいづくりとして、外出を支援するためのモデル事業を引き続き実施するとともに、市内公共施設等を無料又は割引料金で利用できる「アクティブチケット」の利用を促進してまいります。また、介護認定審査会にテレビ会議システムを試験導入し、要介護認定の迅速化を図ってまいります。さらに、福祉分野をまたがる複合的な課題を抱える市民のニーズに対し、新たなモデル事業として、福祉のワンストップ窓口である「(仮称)福祉丸ごと相談センター」を浦和区役所に設置します。
健康寿命の延伸に向けましては、「シルバーポイント事業」や「健康マイレージ事業」に引き続き取り組むとともに、健康経営企業を認定することなどにより、官民一体となって「スマートウエルネスさいたま」を推進します。
生活困窮者の自立、特に子どもの貧困対策としては、生活困窮世帯に向けた学習支援教室につきまして、利用者へのアンケートを踏まえた見直しを行った上で、これまでの中高生に加え、試験的に小学生も対象とし、より一層ニーズに沿った運営としてまいります。
障害者への支援としては、重度障害者の在宅就労を支援するとともに、重症心身障害児の家族に対するレスパイトケアを実施します。

(乳幼児期から青少年期に至るまで切れ目のない支援)
子育て支援につきましては、訪問型に加えて、新たに宿泊型・デイサービス型の産後ケアを実施し、出産後間もない時期の産婦等に対する支援を強化するとともに、聴覚障害の早期発見・早期療育を図るため、新生児の聴覚検査費用に対する一部助成を開始します。
また、よりスピーディーに保育施設の整備を進めるため、賃貸物件を活用した認可保育所整備に対する補助制度を拡充し、これまで以上に多くの保育の受け皿を確保してまいります。加えて、幼稚園における長時間の預かり保育を促進するため、「子育て支援型幼稚園」に対する補助制度を創設し、子育て家庭の様々なニーズに応じ、選べる子育て環境を整備してまいります。さらに、保育士の処遇改善などにより、保育人材を確保するとともに、園外保育の安全確保のため、保育支援者に対する補助を拡充します。
放課後児童クラブにつきましては、教育委員会との連携による余裕教室の活用など、施設の拡充により、児童の受入規模を拡大するとともに、放課後児童支援員の処遇改善を進めてまいります。

3 教育・文化・スポーツ
次に、「教育・文化・スポーツ」に関する施策であります。

(日本一の教育都市)
教育につきましては、新たに中学校21校、小学校35校にタブレット型コンピュータを整備し、中学校では全校で活用できるようにすることで、ICT環境を大きく向上させるとともに、アクティブ・ラーニングの視点で、ICTを効果的に活用した授業を推進してまいります。また、運動部の部活動において競技力の向上と課題の分析・解決力を高めるため、まずは浦和南高等学校において、ICTを活用した「スポーツを科学する生徒の育成」を進めてまいります。また、中学校においても試行導入し、より効率的かつ効果的な部活動につなげてまいります。さらに、安全・安心な教育環境を整備するため、小・中学校のトイレの洋式化につきまして、整備計画を前倒しして進めるとともに、市立高等学校の体育館に空調機を設置します。また、社会生活を営むうえで困難を有する若者の自立に向けまして、新たに市内2か所目となる「若者自立支援ルーム」を南区に開設します。

(文化芸術都市の創造、
スポーツのまち さいたま
文化につきましては、東京2020大会の公認プログラム事業として、「さいたま国際芸術祭2020」を開催するとともに、新たに歌舞伎公演を開催します。
スポーツにつきましては、「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」を、引き続き「さいたまスポーツコミッション」の主催により、本市で開催します。また、スポーツ人材の育成や、持続的で幅広いスポーツの振興に貢献する環境の実現、デジタル技術などの活用による新たなスポーツ産業の創出・活性化を目指し、民間力を最大限に活用した「スポーツシューレ事業」を推進してまいります。「さいたま国際マラソン」につきましては、来年度の開催を見送ることとなりましたが、広く市民の皆様に楽しんでいただける大会の開催に向け、主催5者や関係機関と継続して協議してまいります。

4 都市基盤・交通
次に、「都市基盤・交通」に関する施策であります。

(東日本の対流拠点にふさわしい都市機能の充実・強化)
都市基盤につきましては、東日本の対流拠点にふさわしい都市機能の充実・強化に向けて、「大宮駅グランドセントラルステーション化構想」の実現に向けた具体的な取組を推進してまいります。また、大宮駅東口の再開発事業、大宮駅西口の土地区画整理事業や再開発事業を、引き続き推進してまいります。市営桜木駐車場用地につきましては、活用方針を策定し、事業者の公募に向けた準備を進めてまいります。浦和駅周辺につきましては、浦和駅西口南高砂地区の再開発事業や「浦和西口停車場線」の整備を、引き続き推進してまいります。中央区役所周辺の公共施設再編につきましては、再編方針を策定します。
「地下鉄7号線」の延伸につきましては、引き続き埼玉県と共同で調査・検討を行うことと併せて、実務レベルの会議を開催することで、関係者との調整を図り、1日も早い事業着手に向けて取り組んでまいります。「東西交通大宮ルート」につきましては、交通事業者など関係者による専門的な協議を行うなど、実現に向けて引き続き努力してまいります。そして、「新大宮上尾道路」の整備促進や「首都高速埼玉新都心線」の東北自動車道への接続につきましては、国土強靭化の視点も踏まえつつ、国に対し、引き続き働きかけてまいります。

(誰もが使いやすく移動しやすい交通環境の実現)

交通につきましては、先ほど申し上げた、新たなモビリティサービスの導入に向けた検討のほか、誰もが使いやすく移動しやすい交通環境の実現に向けて、「暮らしの道路・スマイルロード」の整備、歩道の整備、無電柱化を推進してまいります。自転車政策においては、「さいたま自転車まちづくりプラン~さいたまはーと~」に基づく各施策を実施するとともに、自転車施策に関する全国会議である「自転車利用環境向上会議」を本市で開催します。

5 産業・経済

次に、「産業・経済」に関する施策であります。

(「東日本連携」の推進)
「東日本連携」につきましては、「まるまるひがしにほん」を核とした東日本地域の交流を推進し、本市の交流人口を拡大していかなければなりません。具体的には先ほど申し上げた、東京2020大会に向けた取組のほか、「さいたま商工会議所」、「東日本連携推進協議会」とともに、ビジネスマッチングやシティプロモーション、都市間交流等を促進してまいります。また、東京2020大会の開催を契機として、東日本連携都市の地域資源を相互に活用した「広域観光周遊ルート」のプロモーションを行い、各地の魅力を共同発信し、誘客を図ってまいります。

(観光の振興、MICEの推進、企業誘致等)

観光の振興につきましては、人形文化の拠点である「岩槻人形博物館」、そして岩槻の歴史及び文化の発信、産業及び観光の振興、地域活性化の拠点である「にぎわい交流館いわつき」を中心に、人形文化を生かして取り組んでまいります。また、移転する「食肉中央卸売市場・と畜場」と、「地域経済活性化拠点」を一体的に整備する、「(仮称)農業及び食の流通・観光産業拠点」の整備・運営方針の検討を行ってまいります。
MICEにつきましては、「MICE誘致戦略」に基づき、「さいたま観光国際協会」等と連携して、コンベンションを始めとするMICE誘致を一層推進してまいります。
企業誘致につきましては、本市の優位性を生かした誘致活動を継続するとともに、官民連携による新たな産業集積拠点の創出に向けて、候補地区における整備の方向性に基づき、より一層のスピード感を持って取組を進めてまいります。
また、中小企業による海外市場への販路開拓を促進するために、欧州産業クラスターとの技術交流や、海外展示会を通じた支援を行ってまいります。加えて、本年度、覚書を締結したドイツ・ニュルンベルク市、そして、海外姉妹都市であるアメリカ・ピッツバーグ市との経済連携を生かした、産学連携による技術力の向上を支援してまいります。

6 安全・生活基盤

次に、「安全・生活基盤」に関する施策であります。

(安心して暮らせるまちづくり)
先ほど申し上げた、激甚化する自然災害への備えのほか、地域の災害活動の拠点となる消防署所、消防車両を計画的に整備してまいります。また、「セーフコミュニティ」の認証取得を機に、市内外へのPRや対策委員会等の活動を推進するとともに、データに基づく安全・安心なまちづくりを一層進めてまいります。都市公園における修繕や更新等の必要がある遊具につきましては、令和2年度末までに修繕、撤去等を行い、その後、再設置などを順次進め、安全性の向上を図ってまいります。

7 交流・コミュニティ
次に「交流・コミュニティ」に関する施策であります。

(市民の声を反映した生活重視のまちづくり)

地域コミュニティの活性化につきましては、自治会への加入を促進する啓発活動を行い、地域活動への参加を呼びかけていくとともに、引き続き自治会活動を支援してまいります。市民活動につきましては、市民と行政が協働して取り組む「マッチングファンド制度」の活用等により、市民が主体的に地域課題を解決していくための支援を行ってまいります。DV防止対策及び被害者の自立支援につきましては、相談体制を充実してまいります。

8 高品質経営市役所(行財政改革)
次に、「高品質経営市役所」に関する施策であります。

(公民連携の推進)
公民連携につきましては、PFI等の導入の可能性や課題を整理し、民間の力を効率的・効果的に活用するとともに、「Park-PFI」などにより、都市公園を始めとした公共空間の更なる有効活用方策の検討、企業等との対話・提案等を通じて、質の高い自治体経営を目指してまいります。

(働き方改革と行政のICT化)

働き方改革と行政のICT化につきましては、ソフトウェアロボットにより事務処理を自動化する「RPAシステム」の利用を、税部門を中心とした13課所に拡大します。さらに、高齢福祉・介護サービス事業において、各種申請書等の読み取り及びシステム入力を自動化する「AI-OCR・RPAシステム」を新たに導入するとともに、生活保護のケースワーク業務においてタブレット端末を導入し、業務の効率化を推進してまいります。また、学校現場においては、教員の負担軽減と業務の適正化、授業の質の向上のため、市立中学校・高等学校への部活動指導員の配置拡大を図ってまいります。そして、多種多様なデータを収集・分析・活用し、行政経営や行政サービスの改善に生かすため、「さいたまシティスタット」の基盤を確立します。

5 結びに

昨年、アジアで初めてのラグビーワールドカップが日本を舞台に開催され、日本中が熱狂に包まれました。グループリーグを 4戦全勝で突破し、初のベスト8に輝いた日本代表の戦いぶりを思い起こすと、熱い感動が呼び起こされてまいります。
ラグビー日本代表は、日本人のみならず様々な国籍を有する選手やコーチ陣で構成され、多種多様な文化や言語をバックボーンにもつチームでありました。彼らは「ONE TEAM(ワンチーム)」というスローガンのもとに、それぞれの強みを一つの力にまとめ上げ、素晴らしい結束力と規律を示し、輝かしい戦績を残しました。
翻って、我々さいたま市においては、延べ5万人を超える市民ボランティアの皆様による「チャレンジスクール」、25園の御協力による「子育て支援型幼稚園」、市民や企業等からの寄附による植樹によって総延長20キロを超える「見沼田んぼの桜回廊」、「公民+学」による「スマートシティさいたまモデル」、そして、47の企業等と手を携えた「CSパートナーズ」など、どの取組をとりましても、常に市民の皆様のお力はもとより、企業や大学等の皆様の、多種多様な力が結集することにより、市政を前進させてまいりました。
ラグビー日本代表が「ONE TEAM(ワンチーム)」の旗のもとに結束し、日本ラグビーの新たな歴史を作ったように、本市は今、地域や年代を超えた、この地に集うあらゆる人々、そしてステークホルダーとなる市内外の様々な企業や大学等とスクラムを組み、パスをつなぐことで、さらに結束を強め、令和という新たな時代にふさわしい、さいたま市の創造に取り組んでいかなければなりません。
私は、引き続き「責任と共感・共汗」、「徹底した現場主義」、「公平・公正・開かれた市政」の基本姿勢を貫きながら、1%でも市民満足度が向上するよう、「CS90」の達成に全力で挑戦してまいります。加えて、2021年の本市誕生20周年を見据えながら、市民、企業や大学等の皆様と「ONE TEAM(ワンチーム)」となって、これまでの取組の集大成となる現行の総合振興計画の総仕上げを行うとともに、残された課題に対しても、しっかりと取り組んでまいります。そして、2021年の先の「新たなさいたま市の創造」へ向けて、全身全霊で臨んでまいります。

以上、令和2年度の市政に臨む私の所信及び市政の基本方針を申し上げました。市民の皆様及び議員各位の御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げます。

さて、今議会に提出した議案は94件であります。
予算議案として、補正予算が16件、新年度予算が18件、また、条例議案が25件、一般議案が35件であります。
何とぞ慎重なる御審議の上、各議案につきまして、御承認をいただきますようお願い申し上げます。

令和2年2月4日

さいたま市長 清 水 勇 人

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